ポスト団塊世代のお気楽な日々

初老に近いおばさんが自由気ままに書き綴る自分勝手なひとり言

too simple

今週のお題「お弁当の思い出」

お弁当の思い出で、もう一つ思い出したことがある。

20数年前、AET(Assistant English Teacher)プログラムが始まり、近くにある県立高校に初めてのAETがやって来た。
名前はMaryといい、大柄で、美人で、とてもお洒落な21歳のアメリカ人だった。
彼女は、アパート生活よりも、1ヶ月でもいいから実際に日本の家庭で生活したいという強い希望を持っており、高校がホームステイ先を探していた。
たまたま、我が家にもその話が舞い込み、英会話の勉強にもなりそうだし、引き受けた。

Maryが我が家にやって来たのが8月の暑い日だった。
思い出しても、一緒に暮らしていて、びっくりするようなことがたくさんあった。
お弁当もそのひとつである。

9月になり、2学期が始まって、お弁当を持たせることになった。
わたしは、朝早く起きて、栄養価や見栄えを考え、時間をかけて、見た目もとても華やかなお弁当を作った。
出来上がったお弁当を見たとき、Maryは、嬉しそうに見えた。
ところが、帰宅して、お弁当箱を取り出しながら、食べられなかったことを謝る。
見ると、半分以上、残しているではないか。
がっくり来たわたしに、Maryは、明日からは自分で作る、と言う。
どんな物を作るのか訊くと、サンドウィッチだと言う。
しかも、ピーナッツバターのサンドウィッチでいい、と言う。
なので、わたしは、サンドウィッチ用のパンとSKIPPYを用意した。

翌朝、Maryは、自分でお弁当を作った。
本当に、SKIPPYを塗っただけのサンドウィッチだった。
他に、家にあった果物と飲み物を一緒に持って行ったように記憶する。
ともかく、とても簡単なお弁当だった。
そんなお弁当を、我が家にいた3ヶ月、毎日、飽きずに持って行ったのである。

アメリカの食生活の一端を垣間見たような気がした。
敢えて、貧弱な食生活、とは書かないが。(あっ、書いてるか)