ポスト団塊世代のお気楽な日々

初老に近いおばさんが自由気ままに書き綴る自分勝手なひとり言

負けず嫌い

今週のお題ゴールデンウィーク

母娘3人旅行(3)

夜の豪勢な料理を完食するために、わたし達姉妹は間食はすまいと誓った。
実は、姉は血糖値もコレステロール値も高い。
旅行のときに限らず日頃からお菓子などは食べないのがいいのに決まっている。
だから、実家に行っても、母がわたし達にお菓子を勧めると、姉はいつも「私を糖尿病にするつもりなんね」と言って、母を叱る。
叱られても叱られても、母は性懲りなく甘い物を用意している。

この度も、母は車の中でわたし達に食べさせようと、家中にあるお菓子を掻き集めて袋に詰め、糖分の多いドリンク剤も用意していた。
姉が「私は糖尿病予備軍よ。こんなモン、食べたりしたらいけんっていつも言っとるでしょうが」と言って、母を叱る。
にもかかわらず、母は車に乗りこむ度にお菓子やドリンク剤を差し出し、その度に姉に叱られていた。
土産物屋ではいつも、わたし達にお土産にお饅頭を買おうとして、またまた姉に叱られる。

二日目のお昼どき。
雨だというのに観光地は観光客で満ち溢れ、ゆっくりお昼ご飯を食べられそうな場所も見当たらない。
適当に入ったお店で、お蕎麦を注文し、パックに入った箱寿司を買った。
ふと見ると、箱寿司の隣に作りたての大福餅が置いてあった。
甘い物好きの姉は、大福、よもぎ大福、塩大福を買った。

お蕎麦と箱寿司を食べ終え、姉が塩大福に手を伸ばした。
そして、母にはよもぎ大福を勧めた。
すると、母がしたり顔で言った。
「あれまぁ!甘いモンは食べんのんじゃなかったんね。
 あれだけ私を叱っておいて、大福を買ってもええんね」。
姉も負けていない。
顔色ひとつ変えず、しらっとした表情で答えた。
「これはね大福だからええんよっ!」
 (おねえちゃん、ホンマなん??)