ポスト団塊世代のお気楽な日々

初老に近いおばさんが自由気ままに書き綴る自分勝手なひとり言

★『実録 ぼくの更年期』/永井 明


                    〜 2007/7/6 〜

数日前、夫の本棚で見つけた。
本の裏表紙にはこう書かれている。

目が疲れる、腰が痛い、酒が弱くなった、歯にものがはさまりやすい、小食になった、オカーサンとのナニが疎遠になった、人の名前が思い出せない…。この中年トホホ状態こそ哀しい男の更年期?でもそれは誰にでも現れる熟年になった証拠。年をとったなりの 人生の楽しみ方はある。爽やかに軽やかに人生後半を送りたい男たちへの熱い応援歌!

ふーむ。
一体、いつ買ったのかと聞けば、3年位前かなぁ、と答える。
夫が50代の後半の頃である。
全然、知らなかった。
どうしてこんな本を買ったのかと聞けば、わたしが夫に、
「最近、なんか塞ぎ込んでるみたいだけど、更年期じゃない?男の人にも更年期があるらしいよ」
と言ったのがきっかけとのこと。
言った当人はといえば、すっかり忘れている。

本の内容そのものはさほど深刻ではない。
むしろ、自分自身の不健康ぶりを大袈裟に告白して、世のオジサンたちを安心させるために書かれたような本だ。

カバー見返りの著者紹介で、『ぼくが医者をやめた理由』の著者だとわかり、あ、あの人なのか、と親近感を覚えながらページを捲る。
彼が50歳になった頃に書かれた本の文庫版である。

胃が3分の1しか残っていないし、B型肝炎に罹っているのに不摂生な生活を続け、大酒飲みでヘビー・スモーカー。
でも、生活態度を変える気は毛頭ない様子。
著作から10年、彼の体は一体、どんなことになっているのやら…。
それに、今、彼は、どんな本を書いているのかしら…。
気になって、半分くらい読み終えた頃、ネットで検索してみた。
すると、何と彼は3年前に56歳で亡くなっていたのだ。
死因は肝臓がん。
ショックだった。

その後に読んだ残りの後半部分。
ユーモアたっぷり、軽妙洒脱な文章で、それまでニヤニヤして読んでいたのに、全く笑えなくなってしまった。
安易にネット検索するのも良し悪しである。
あたふたと読み終え、そっと夫の本棚に返しておいた。


      ******************** 


夫は、退職後はすっかり元気になりました。
いかに仕事のストレスが大きかったか、ということなのでしょう。
今頃気付いても遅いっ!って言われそう。